2026年6月 最新情報に更新
日本に住む外国人にとって、税金の仕組みは複雑です。「居住者」「非居住者」「非永住者」という区分は単なる呼び方の違いではなく、所得税の課税範囲や税率に大きな影響を及ぼします。同じように日本で働いていても、在留資格や滞在期間によって税法上の立場が変わることがあります。この記事では、外国人が知っておくべき税法上の区分と、それが税金にどう影響するかを2026年の最新情報とあわせて解説します。
税法上の「居住者」「非居住者」とは何か?
まず押さえておきたいのは、「住民票がある=居住者」ではないという点です。税法上の区分は、住民票の有無ではなく、日本に住所があるか、または1年以上の居所があるかという実態によって判断されます。
所得税法では、個人を以下の3つに分類しています。
① 居住者(非永住者)
日本に住所または1年以上の居所を持つ人のうち、日本国籍を持たず、かつ過去10年以内に日本に住所・居所を持っていた期間の合計が5年以下の人が「非永住者」です。
特定技能・技術・人文知識・国際業務などの就労系ビザで来日してまだ数年という方の多くがここに該当します。課税対象は日本国内で得た所得と、海外所得のうち日本国内で支払われたまたは日本に送金された部分です。海外口座に入ったまま日本に送金されていない海外所得は、原則として日本では課税されません。このため、海外にも収入源がある外国人は送金の管理次第で課税額が変わる点に注意が必要です。
② 居住者(永住者)
日本に住所または1年以上の居所を持つ人のうち、非永住者に該当しない人が税法上の「永住者」です。日本国籍保有者はすべてここに含まれます。外国人の場合は、在留資格の種類にかかわらず、過去10年のうち日本に住所・居所を持っていた期間が通算5年を超えると税法上の永住者となります。課税対象は全世界所得です。
③ 非居住者
日本に住所がなく、かつ1年以上の居所も持たない人です。日本国内源泉所得のみが課税対象となり、原則20.42%の源泉徴収が適用されます。年末調整の対象にもならず、扶養控除・配偶者控除なども使えません。控除なしのフル課税となる点が居住者との大きな違いです。
来日したばかりの人は最初の1年間は非居住者となることが多く、雇用する企業側も源泉徴収の処理を誤りやすい時期です。
居住者・非居住者で税金がどう変わる?
| 区分 | 課税範囲 | 税率 | 年末調整 | 各種控除 |
|---|---|---|---|---|
| 居住者(非永住者) | 国内所得+送金された海外所得 | 累進課税(5〜45%) | 対象 | 適用あり |
| 居住者(永住者) | 全世界所得 | 累進課税(5〜45%) | 対象 | 適用あり |
| 非居住者 | 国内源泉所得のみ | 原則20.42%(源泉徴収) | 対象外 | 適用なし |
非居住者は扶養控除・配偶者控除・医療費控除・住宅ローン控除などが一切使えません。居住者であれば各種控除が適用されるため、収入によっては実質的な税負担が大きく軽減されます。
住民税(地方税)の扱いにも注意
所得税とは別に、住民税(市区町村民税+道府県民税)も重要です。住民税は、毎年1月1日時点に日本に住民登録がある人に対して、前年の所得をもとに課税されます。外国人であっても、中長期在留資格で住民票が登録されていれば対象になります。
2026年からの変化:在留管理とマイナンバーの連携強化
2026年6月から、外国人の在留管理制度に大きな変化が始まっています。在留カードとマイナンバーカードを1枚に統合した新しいカードの運用が始まり、これまで別々の窓口で行っていた在留関連の手続きと住民票関連の手続きが一本化されます。
税務の観点では、マイナンバーと在留情報が行政機関の間でより緊密に連携されることになります。外国人従業員のマイナンバー管理や源泉徴収の実務を担う企業側にとっても、対応を見直す場面が出てくるでしょう。取得は任意ですが、制度の全体像を把握しておくことが重要です。
よくある誤解とそのリスク
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❌「就労ビザだから居住者」
→ 在留資格の種類ではなく、滞在期間と生活実態で判断されます。来日直後は非居住者となることが多い点に注意が必要です。
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❌「住民票があるから居住者」
→ 住民票は行政上の登録であり、税法上の判定とは別です。逆に住民票がなくても居住者と判定されるケースもあります。
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❌「非居住者は確定申告不要」
→ 日本国内源泉所得がある非居住者は確定申告が必要なケースがあります。
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❌「在留資格の永住者=税法上の永住者」
→ 別の概念です。就労ビザのまま長年住んでいる外国人も税法上は永住者になり得ます。
誤った処理をした場合、追徴課税やペナルティが発生することがあります。逆に、居住者であるにもかかわらず非居住者扱いで高い源泉税を払い続けているケースでは、還付請求のチャンスを失っている可能性もあります。
自分の区分を確認するためのチェックポイント
- 継続して1年以上日本に住んでいるか
- 生活の本拠が日本にあるか(家賃契約・光熱費の支払先など)
- 日本国籍の有無
- 過去10年のうち日本に住所・居所を持っていた期間が通算5年を超えているか
- 海外所得の有無と日本への送金状況
- 扶養家族の居住地はどこか
まとめ
税法上の居住者・非居住者の区分は、在留資格の種類だけでなく滞在期間・生活実態・送金状況など複合的な要素で判定されます。在留資格の「永住者」と税法上の「永住者」が別概念であることも、誤解が生まれやすいポイントです。
判断を誤ると、企業側・個人側どちらにも不利益が生じます。自分の区分が不明な場合や、外国人従業員の税務処理に不安がある場合は、行政書士や税理士などの専門家にご相談されることをお勧めします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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