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ビザ更新費用は本人負担か会社負担か

2026年6月 最新情報に更新

在留資格(ビザ)の更新には、申請手数料や行政書士への依頼料など、一定の費用が発生します。これを本人が負担するのか、会社が負担するのかは、法律上の原則と実務上の対応が異なるため、混乱しやすいテーマです。また、2026年に予定されている手数料の大幅値上げにより、これまで「数千円の実費」という感覚で扱われてきた費用が、企業の人件費コストとして重みを増してきています。この記事では、法的根拠から税務処理・就業規則への記載まで、実務的な視点で整理します。

法律上の原則:申請者本人が負担する建て付け

入管法上、在留資格の更新申請はあくまで「本人が行う手続き」とされています。したがって、更新に伴う手数料などの法定費用も、原則として本人が負担するものと解釈されます。

ただし、この「原則」をそのまま企業の実務に当てはめるのは慎重であるべきです。外国人が就労できるのは企業が提供する雇用ポジションがあってこそであり、ビザ更新ができなければ雇用の継続自体が成り立たなくなります。このような実態から、会社負担とすることには一定の合理性があり、実務上もそのように対応する企業が増えています。

2025年・2026年の手数料改定:費用感が大きく変わる

ビザ更新の費用負担を考えるうえで、現在進行中の手数料値上げは見逃せません。

⚠ 2026年改正入管法が成立
2026年5月29日、参議院本会議で改正入管法が可決・成立しました。在留資格の更新・変更手数料の上限が現行の1万円から10万円に、永住許可は上限30万円に引き上げられます。実際の金額は政令で定められますが、更新・変更で1〜7万円、永住許可で20万円程度になる見込みです。
手続きの種類 〜2025年3月 2025年4月〜(現行) 2026年度以降(見込み)
在留期間更新・資格変更(窓口) 4,000円 6,000円 1万〜7万円程度
在留期間更新・資格変更(オンライン) 5,500円 同上(政令次第)
永住許可 8,000円 10,000円 20万円程度

これまで「実費相当」の感覚で扱われてきた手数料が、今後は経営コストとして無視できない重みを持ちます。行政書士への依頼料(3〜8万円程度)と合わせると、更新1件あたりの総費用はさらに大きくなります。外国人社員の更新費用を会社が負担している企業は、今のうちに社内ルールの見直しが必要です。

会社負担にした場合の税務上の注意点

企業が更新費用を負担する際に見落とされがちなのが、給与課税(現物給与)の問題です。会社が従業員のために支出した費用は原則として給与として課税されますが、処理の方法によって扱いが変わります。

パターン①

会社が直接負担する場合

申請手数料や行政書士費用を会社が直接支払い、「業務上必要な費用(支払手数料・雑費等)」として経費計上します。業務との関連性を明確にしておけば、給与課税が生じないケースが多いとされています。

パターン②

本人が立て替え・会社が補助する場合

本人が一旦費用を立て替え、領収書を提出して会社が補助するパターンです。補助金として給与扱いになる可能性があるため、就業規則や社内規程での位置づけを明確にしておく必要があります。

税務上の処理については、個別の状況によって判断が異なります。税理士への確認をあわせてお勧めします。

企業が負担すべき合理的な理由

  • 人材の定着・離職防止 語学や制度への不安を抱える外国人にとって、ビザ手続きの費用と煩雑さは大きな壁です。会社がサポートすることで、安心して長く働いてもらえる環境が整います。
  • 採用競争力の向上 複数の企業が採用を競う場面では、ビザ費用を会社が負担するかどうかが候補者の選択に影響します。支援体制の充実は採用競争力に直結します。
  • 不法就労リスクの防止 ビザの更新期限を本人任せにすると、失念や書類不備による更新漏れが発生するリスクがあります。会社が費用負担とあわせて管理体制を整えることで、不法就労のリスクを未然に防ぐことができます。

就業規則・雇用契約書への明記が信頼の土台

費用負担の有無や範囲が曖昧なままでは、誤解や不信感につながります。また、2026年以降の手数料大幅値上げを前に、今のうちにルールを明文化しておくことが重要です。

就業規則や雇用契約書に明記しておきたい項目は以下のとおりです。

  • 会社が負担する費用の範囲(印紙代のみか、行政書士費用も含むか)
  • 立替払いの場合の精算手続きと提出書類(領収書等)
  • 申請サポートの体制(会社が手配するか、本人が行うか)
  • 更新スケジュールの管理方法(在留期限の一覧化・通知タイミング)
  • 費用上限の設定(今後の値上げを踏まえた上限額の明示)

まとめ

ビザ更新費用は法律上は本人負担が原則ですが、実務上は会社負担とする企業が増えており、合理的な理由もあります。2026年の手数料大幅値上げにより、費用負担のルール整備と社内管理体制の見直しはこれまで以上に重要になっています。

会社負担とする場合の税務処理や就業規則への記載方法、行政書士への依頼など、実務上の対応でお悩みの場合はフジ行政書士事務所にお気軽にご相談ください。

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