決算変更届を出し忘れていても、何年分たまっていても、あとから出すことはできます。ただし、出していないあいだは建設業許可の更新や業種追加ができず、期限を過ぎたままにすると罰則の対象にもなります。
更新の満了日が近い場合は、決算変更届をすべて出し終えてから更新を申請する必要があるので、残り時間との勝負になります。
このページでは、出し忘れたときに起きること、たまった分の出し方、更新が近いときの進め方を、大阪府知事許可の場合でまとめています。
① 決算変更届とは
決算変更届は、建設業許可を持っている会社や個人事業主が、毎年の決算が終わったあとに出す届出です。1年間にどんな工事をしたか、会社の財務の状態はどうかを、許可を出した大阪府に報告します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 期限 | 事業年度が終わってから4か月以内(3月決算なら7月31日まで) |
| 提出先 | 大阪府(知事許可の場合) |
| 主な書類 | 変更届出書、工事経歴書、直前3年の工事施工金額、財務諸表、事業報告書(株式会社)、納税証明書 など |
| 手数料 | かかりません |
工事がなかった年も、決算変更届は出す必要があります。「今年は工事が少なかったから」と出さずにいると、そのまま何年分もたまってしまいます。
工事がなかった年も、決算変更届は毎年出します
② 出し忘れるとどうなる?
5年ごとの更新では、それまでの決算変更届がすべて出ているかを確認されます。1年分でも欠けていると、更新を申請できません。
新しい業種を追加するときも、決算変更届が出ていることが前提です。追加したい工事があっても、先にたまった分を出す必要があります。
公共工事の入札に必要な経営事項審査(経審)も、決算変更届を出していないと受けられません。
建設業法では、決算変更届を出さなかった場合、6か月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります(建設業法第50条)。
いちばん困るのは、更新の直前に気づいた場合です。許可の満了日を過ぎると、500万円以上の工事を請け負えなくなります。たまった決算変更届を出してから更新を申請するので、気づいた時点ですぐに動く必要があります。
③ 何年分たまっていても出せる?
出せます。期限を過ぎていても、大阪府は決算変更届を受け付けます。何年分かたまっている場合は、古い年から順番に作成して出します。
最後に出した決算変更届の年を確認し、そのあとの何年分が出ていないかを洗い出します。
税理士に頼んでいる場合は、税理士から各年の決算書と申告書の控えをもらいます。
工事経歴書を作るために、各年の工事の注文書・請求書・通帳の記録などを集めます。
各年の納税証明書を取ります。年度ごとに必要になるので、年数分を用意します。
建設業の財務諸表は、税務申告用の決算書を建設業用の様式に組み替えて作ります。
年数が多いほど、工事の記録を探し出すのに時間がかかります。特に工事経歴書は、何年も前の注文書を探すところでつまずきやすい書類です。
④ 前の担当者が辞めて、何を出したか分からないとき
決算変更届の出し忘れは、事務の担当者が辞めたり、代表者が自分で出していたのを忘れていたりして起きることが多くあります。何年分が出ていないかが分からないときは、次の順番で確認します。
大阪府の受付印が押された決算変更届の控え(副本)がないかを探します。電子申請で出していた場合は、申請の履歴を確認します。
許可を受けた日と満了日を確認し、許可を受けてから何回決算があったかを数えます。
大阪府に出した許可申請書や届出書は、閲覧の手続きで確認できます。どの年の決算変更届が出ているかを、ここで確かめます。
控えが見つからない場合でも、大阪府に出した書類を確認すれば、出ていない年は分かります。分からないまま放っておかず、まずは確認から始めてください。
⑤ 決算変更届と一緒に確認したい変更届
決算変更届が出ていない会社は、ほかの届出も漏れていることがよくあります。役員や技術者が変わったときの変更届は、決算変更届とは別に、期限内に出す必要があります。
| こんな変化があったとき | 届出の期限 |
|---|---|
| 役員が変わった・会社の名前や所在地が変わった | 変更があってから30日以内 |
| 資本金の額が変わった | 変更があってから30日以内 |
| 経営業務の管理責任者が変わった | 変更があってから2週間以内 |
| 営業所技術者が変わった・辞めた | 変更があってから2週間以内 |
営業所技術者や経営業務の管理責任者が辞めて、代わりの人がいないままになっていないかを確認してください。許可の要件を満たさなくなると、許可を続けることができなくなります。決算変更届の確認と一緒に、今の体制で要件を満たしているかも確かめておくことが大切です。
⑥ 更新が近いときの進め方
大阪府の建設業許可の更新は、満了日の3か月前から30日前までに申請します。決算変更届がたまっている場合は、その前にすべて出し終える必要があります。
| 気づいた時期 | 進め方 |
|---|---|
| 満了日の半年以上前 | たまった決算変更届を順に出し、そのあと通常どおり更新を申請します |
| 満了日の3か月前ごろ | 決算変更届の作成と更新の準備を同時に進めます。書類集めを急ぐ必要があります |
| 満了日の30日前を過ぎた | 電子申請はできなくなります。すぐに大阪府の窓口と行政書士に相談してください |
| 満了日を過ぎた | 更新はできません。新規申請をし直すことになります |
古い工事の記録は、注文書や請求書から探します
⑦ 毎年出し忘れないための工夫
・決算月の4か月後を、毎年の予定に入れておく
・3月決算なら7月31日、9月決算なら1月31日
・税理士から決算書が届いたら、すぐに準備を始める
・社内で誰が出すかを決め、引き継ぎの書類に残す
・提出した控えを、年ごとに同じ場所に保管する
・毎年の届出を行政書士に任せる
決算変更届は、決算書があれば毎年同じ流れで作れる書類です。毎年の決算のたびに出しておけば、5年後の更新の準備もそのぶん軽くなります。
⑧ 行政書士に頼む場合
決算変更届は、ご自身で出すこともできます。ただ、何年分もたまっている場合や更新が近い場合は、財務諸表の組み替えや工事経歴書の作成に時間がかかるため、行政書士に頼む方も多い手続きです。
・決算変更届 1年分 33,000円〜
・何年分かまとめて出す場合 年数と書類の量に合わせてお見積り
・建設業許可の更新 77,000円〜(大阪府の手数料5万円は別途)
よくあるご質問
Q.決算変更届を出し忘れると、すぐに許可が取り消されますか?
出し忘れただけで、すぐに許可が取り消されるわけではありません。ただし、更新や業種追加ができず、罰則の対象にもなるので、気づいた時点で早めに出すことが大切です。
Q.5年分たまっていても出せますか?
出せます。古い年から順に、各年の決算書・工事の記録・納税証明書をもとに作成して出します。年数が多いほど書類集めに時間がかかるので、更新が近い場合は早めに取りかかってください。
Q.工事がなかった年も出す必要がありますか?
必要です。工事がなかった年も、その年の決算の内容を決算変更届として出します。
Q.税理士に頼んでいる決算書をそのまま出せばよいですか?
そのままでは出せません。建設業の決算変更届では、決算書を建設業用の財務諸表の様式に組み替えて作成します。工事経歴書など、決算書にはない書類も必要です。
Q.前の担当者が辞めて、どの年を出したか分かりません。
会社に残っている控えや電子申請の履歴を確認し、見つからない場合は大阪府に出した書類を閲覧の手続きで確認します。出ていない年が分かれば、そこから順に作成して出します。
Q.決算変更届だけを依頼できますか?
できます。新規申請や更新をほかで行った会社からの、決算変更届だけのご依頼もお受けしています。1年分33,000円(税込)からで、何年分かまとめて出す場合はお見積りをお出しします。
こんなことで相談していいの?
何年分たまっているか分からない段階でもご相談いただけます。
・最後にいつ出したか覚えていない
・更新の満了日が近いのに決算変更届が出ていない
・前の担当者が辞めて、何を出していたか分からない
・税理士の決算書はあるが、建設業用の書類の作り方が分からない
決算変更届 1年分 33,000円〜(税込)
何年分かまとめて出す場合はお見積り
