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外国人の声がついに届くか――最低賃金審議会で技能実習生が初発言

技能実習生が最低賃金について意見を述べた初めての事例

2025年7月31日、福岡県で開かれた最低賃金審議会に、介護の仕事をしているミャンマー出身の24歳の女性技能実習生が出席し、自分の思いを話しました。彼女は、現在の最低賃金では生活が苦しく、母国への仕送りも難しいと訴えました。厚生労働省によると、技能実習生が最低賃金について直接意見を述べたのは全国で初めてです。この発言のきっかけをつくったのは、女性を支援する労働組合でした。「日本を支える外国人労働者の声を、ちゃんと聞くべきだ」と訴え、実現につながりました。時給992円では、自分の生活費に加えて仕送りを続けるのは大変です。生活に必要なものを我慢してやりくりしている現状は、多くの技能実習生にも共通しています。今回のように、現場で働く本人が声を上げることはとても意味があります。

最低賃金審議会とは?今までと何が違うのか

最低賃金審議会とは、労働者側と経営者側が集まり、「最低賃金をいくらにするか」を話し合う場です。毎年、都道府県ごとに開催されますが、これまでは主に労働組合の代表や業界団体が意見を述べてきました。しかし今回は、実際に最低賃金で働いている外国人本人が初めて意見を言いました。制度の中にいる「当事者」の声が届いた、画期的な出来事です。技能実習生は、表向きは「技術を学ぶ人」とされていますが、実際には多くの現場で人手として働いています。それでも、「労働者」としての声を聞いてもらえる場は、これまでほとんどありませんでした。言葉の壁、在留資格の不安、職場からの圧力など、発言しにくい状況が続いていたのです。それだけに、今回の発言は非常に大きな意味を持っています。制度の中で見えにくくなっていた問題が、ようやく表に出てきたとも言えます。

他の地域にも広がりはじめた「当事者の声」

福岡での事例をきっかけに、他の地域でも似たような動きが出てきています。たとえば北九州では、金属加工の工場で働くベトナム人の実習生が最低賃金引き上げを求める意見を述べました。また、関西でも技能実習生を支援する団体が「審議会に本人の声を届けるべきだ」と動いています。背景には、人手不足が深刻化し、外国人なしでは回らない仕事が増えている現状があります。コンビニ、介護、農業、建設、外食など、あらゆる業界で外国人が働いており、その多くが最低賃金ぎりぎりで暮らしています。一部の労働組合では「外国人労働者のための発言枠をつくろう」という提案も出ています。日本人の意見だけでなく、実際に困っている外国人の声を反映させることが、これからの最低賃金の議論には必要だという考えです。今後、このような「当事者の声を制度に反映させる流れ」が全国に広がっていくかもしれません。

技能実習制度の見直しと社会のあり方

技能実習制度は、もともと「外国人に日本の技術を学んでもらう」という目的で始まりました。しかし今では、実際には人手不足の穴を埋める労働力として使われているケースが多く、「制度と実態がかけ離れている」と批判されています。また、国際的には「人権上の問題がある」と指摘されることも増えており、日本政府も制度の見直しを進めています。新たな制度では、より「労働者」としての立場をはっきりさせ、権利を守る方向が検討されています。そのなかで、実際に働いている外国人の声を政策づくりに反映させることが、とても大切になってきます。今回のように、技能実習生が自分の思いを直接伝えることは、制度の改善に向けた一歩と言えるでしょう。最低賃金は、ただの数字ではありません。それは「人がどんな暮らしをできるか」「その生活が人間らしいものか」という、社会全体の考え方があらわれるものです。これからの日本が、外国人を「一緒に働く仲間」として迎える社会になるためには、彼らの声に耳を傾け、制度に反映していくことが欠かせません。福岡での一歩が、今後の社会づくりにどうつながっていくのか。引き続き注目が集まっています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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