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世界で強まる留学生ビザ規制|制度悪用を防ぐ各国の動き

世界で進む留学生ビザ規制の強化

国際社会において留学生は教育や研究の発展、文化交流を促進する重要な存在です。しかし一方で「学生ビザを名目に実際は働く」ケースが目立ち、制度の信頼性を損なう状況が各国で問題視されるようになりました。授業には出席せず在籍証明だけを利用して滞在を延長し、不法就労に従事する人が増えれば、教育機関の健全性だけでなく治安や労働市場にも悪影響を与えます。

こうした懸念を背景に、多くの国々は学生ビザの管理を強化し、不正利用を抑制する方向に動いています。すでにアメリカ、オーストラリア、イギリス、カナダなどでは相次いで制度改正が進み、「学ぶための制度」を守る姿勢が明確になっています。

アメリカ:滞在期間の明確化と審査強化

アメリカは世界で最も多くの留学生を受け入れる国の一つですが、柔軟な制度がかえって悪用される原因となっていました。従来のFビザでは「在籍中は滞在可能」という仕組みが取られており、学校に籍を置くだけで実際には学ばずとも滞在が可能という抜け道が存在していました。

そのため新制度では滞在期限を最長4年に限定し、延長には追加審査が必要となりました。これにより、形式的に籍を置いているだけの学生や学業に不真面目なケースを排除できるようになります。大学や入管当局が連携して出席状況を確認する体制も整備され、監視はこれまで以上に厳格になっています。

柔軟性がなくなることで正規の留学生にも負担は増えますが、制度の透明性を高めるという点で大きな意義があります。アメリカがこうした改正を導入したことは、他国の制度設計にも影響を与える可能性が高いといえるでしょう。

オーストラリアとイギリス:教育機関と滞在制度への規制

オーストラリアでは、いわゆる「ゴーストカレッジ」と呼ばれる問題が大きな社会課題となりました。授業を行わず在籍証明だけを発行する教育機関が多数存在し、学生ビザを不正に利用する温床となっていたのです。政府は大規模な調査に踏み切り、150校以上を閉鎖、さらに140校に警告を出しました。これに加え、生活費や学費の証明を厳しく審査し、制度の抜け道をふさぐ対応を進めています。

イギリスでは家族帯同に関する規制が強化されました。これまでは修士や博士課程の留学生であれば配偶者や子どもを呼び寄せることができましたが、現在は研究系大学院生を除き帯同が認められていません。また、卒業後に与えられる滞在許可期間(Graduate Route)も2年から18か月に短縮され、教育制度と移民政策を切り分ける流れが強まりました。

これらの改正は教育環境を守ると同時に、社会的負担を軽減する意味合いも持っています。住宅不足や地域社会への影響などを考慮したうえでの規制であり、イギリスにおける「教育と移住の線引き」を鮮明にしたものだといえます。

カナダと各国に共通する方向性

カナダでも留学生急増に伴う住宅逼迫や社会資源への負担が問題化しました。そのため、学生ビザに年間の受け入れ上限を設定し、さらに卒業後就労許可(PGWP)の対象を一部の学位やプログラムに限定しました。申請条件として生活費や資金の証明も厳格化され、短期的な就労目的での入国は難しくなっています。

カナダはこれまで多文化社会を掲げ留学生に開かれた国でしたが、持続可能性を意識して制度を改めつつあります。受け入れ人数を調整することで、真剣に学ぶ学生に安定した学習環境を提供しようという狙いが見て取れます。

これらの事例から見えてくる共通点は、「監視の強化」「対象の制限」「透明性の確保」です。アメリカは滞在期限を固定化し、オーストラリアは不正校を閉鎖、イギリスは家族帯同を制限、カナダは人数上限を設けるなど、手法は異なっても方向性は同じです。いずれも教育を隠れ蓑にした不正就労を排除し、本気で学ぶ学生を守る制度へと転換しています。

短期的には混乱や人材不足が生じる可能性がありますが、長期的には教育の質を高め、制度への信頼を取り戻すことにつながります。今後はアジア各国でも同様の動きが広がり、国際的に「学ぶためのビザ制度」がより厳格で透明性のあるものへと進化していくと予想されます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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