国際結婚と永住権申請の基本的な考え方
国際結婚をして日本で生活する外国人の中には、将来的に安定した在留資格を希望し、永住権の取得を目指す方が少なくありません。永住権は、一度許可されれば在留期間の更新が不要となり、就労や活動の制限もなくなるため、長期的な生活基盤を築くうえで大きな安心材料となります。
永住権申請には原則として10年以上の日本滞在歴が求められますが、日本人や永住者と結婚している場合は緩和措置があります。具体的には「婚姻から3年以上経過し、日本に1年以上継続して滞在していること」が条件とされ、婚姻期間の計算には日本国外で過ごした期間も含まれます。
この条件は、多くの方が誤解しているポイントでもあります。たとえば、「日本で3年暮らしていないといけない」と思い込んでいるケースが多いですが、実際には婚姻からの経過年数に海外生活も含められるため、日本での生活が短くても条件を満たせることがあります。
海外居住期間がカウントされる条件と立証方法
海外での婚姻生活を永住権申請の要件に加算するためには、実態として夫婦が同居し、生活を共にしていたことを立証する必要があります。単に婚姻届を提出しているだけでは不十分であり、日常生活の証拠や関係性を示す資料が求められます。
立証方法としては、
- 海外で一緒に暮らしている写真
- 住民登録や賃貸契約書
- 公共料金の請求書や領収書(夫婦名義や同住所であること)
- 旅行やイベントの記録、家族・友人との交流写真
などが挙げられます。これらは申請時にまとめて提出し、日本国外でも継続的な夫婦生活が営まれていたことを入管に示すことが重要です。特に写真は日付や場所が分かるものが望ましく、同じ人物との複数の場面を収めることで信ぴょう性が高まります。
日本移住後に準備しておくべきこと
日本に移住してから永住権を申請するまでの期間は、生活基盤を整える大切な準備期間です。この間にどれだけ安定した生活実績を積み、証明資料を揃えられるかが申請の成否を左右します。
具体的には、安定した収入源の確保が重要です。移住後1年程度では課税証明書が発行されない場合もありますが、その場合は勤務先からの給与明細、在職証明書、給与振込の通帳コピーなどで代替します。また、可能であれば勤務先から年収見込証明書を発行してもらうことで、審査上の信頼性が向上します。
さらに、日本での住居契約や公共料金の支払い記録、地域社会との関わり(自治会や地域イベントの参加記録など)も、生活の安定性を裏付ける資料になります。
行政書士が考える成功のポイントと注意点
行政書士として現場で多くの事例を見ていると、永住権申請における成功の鍵は「証拠資料の質と一貫性」にあります。条件を満たしていても、証拠が乏しい、または矛盾している場合、許可は難しくなります。
例えば、海外生活期間を証明する写真があるものの、住民登録や賃貸契約の資料が欠けている場合、実際に同居していたかどうか疑われる可能性があります。また、日本移住後の収入証明や生活状況の説明が不十分だと、安定性の観点から不許可になることもあります。
そのため、申請準備はできるだけ早い段階から始めるべきです。海外生活時代の記録も整理し、日本での生活に関する資料も継続的に保管しておくことが望ましいです。さらに、申請書類は一つひとつの情報が整合性を保つように作成し、入管担当者が一読して夫婦生活の実態が理解できるよう配慮することが重要です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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