日本に住む外国人の税金ガイド――住民税・所得税・年末調整とは?
日本で生活する外国人にとって、税金の仕組みは複雑でわかりにくいものです。給料から差し引かれている「税金」は何のために引かれているのか、そもそも自分に支払い義務があるのか、どこまで申告すればいいのか――多くの方が疑問を感じています。特に、「住民税」「所得税」「年末調整」といった言葉は、聞いたことがあっても正しく理解できていないケースが少なくありません。
本記事では、在留外国人に向けて、日本における基本的な税制度について、実務的な観点からわかりやすく説明します。
「住民税」とは何か――働き始めてから1年後にかかる税金
住民税は、前年の所得に基づいて計算され、翌年に市区町村に支払う地方税です。例えば、2024年にアルバイトや仕事で所得があった人は、2025年の6月から住民税の支払いが始まります。
会社勤めであれば、給料から天引きされる「特別徴収」という形が一般的です。一方、個人事業主や会社に勤めていない人は「普通徴収」として、納付書が郵送され、自分で納付することになります。
ここで注意したいのが、「前年の所得が基準」になる点です。たとえ現在は無職であっても、前年に収入があれば住民税は課されることがあります。また、転職して給与が下がっても、前年の高収入が基準になって住民税が高くなるという現象も起こります。
外国人であっても、1月1日時点で日本に住民票がある場合は原則として住民税の対象となります。留学生や短期在留者でも、一定の収入があれば課税される可能性があります。
「所得税」の仕組み――月ごとに引かれる税金の正体
所得税は、国に納める税金です。会社員であれば、給料から自動的に源泉徴収されます。月の収入に応じて税率が変動し、扶養家族の数や保険料控除なども関係してきます。
所得税の特徴は「概算で毎月引かれ、年末調整で過不足を調整する」という点です。つまり、毎月の給料からはざっくりとした金額が引かれており、最終的に1年間の収入と控除内容を元に正確な税額が確定します。
外国人労働者であっても、日本で給料を得ている場合は、原則として日本の所得税法に基づく課税対象です。特に在留期間が1年以上である場合や、就労ビザ・家族滞在ビザなどで長期的に日本に住んでいる方は、日本人と同じように所得税が課されます。
なお、「非居住者」に分類される外国人については、日本国内の所得にのみ課税されますが、その判定は滞在期間や生活実態によって変わるため、慎重な判断が必要です。
「年末調整」とは――税金が戻る可能性のある手続き
年末調整とは、会社が従業員に代わって、1年間の所得税の過不足を調整する手続きです。具体的には、12月の給与計算時に、年間の収入と控除を踏まえて正しい所得税額を計算し、払いすぎた分が戻されたり、不足分が徴収されたりします。
このとき重要なのが「扶養控除」や「配偶者控除」「保険料控除」などの申告です。もし申告しなければ、本来より高い税額が引かれてしまい、損をすることになります。逆に、適切に申告すれば数万円が戻ってくることもあります。
特に外国人に多いのが、「海外に住む家族を扶養に入れられるか」という問題です。国税庁のガイドラインでは、送金実績や親族関係の証明書類(戸籍・出生証明書など)があれば、一定条件下で扶養親族として認められる可能性があります。
また、年の途中で退職した人は、年末調整を受けることができないため、自分で確定申告を行う必要があります。退職時期によっては、納めすぎた税金を取り戻すチャンスでもあるので、手続きを忘れないようにしましょう。
外国人が税金で損をしないためにできること
日本の税制度は複雑で、知らないと損をする仕組みも多くあります。特に外国人にとっては、言葉の壁や制度への理解不足から、税金の手続きを怠ってしまうことがあります。
しかし、正しく情報を得て、必要な書類を提出し、控除を受けられるようにしておくことが重要です。自分が「居住者」なのか「非居住者」なのか、また家族を扶養に入れる条件を満たしているかどうかを確認することで、余計な税金を払わずに済みます。
近年では、外国人労働者や留学生向けに自治体や税務署が多言語のパンフレットを提供しているほか、年末調整や確定申告をサポートする専門家も増えています。行政書士や税理士に相談することで、正しい手続きをスムーズに進められる場合もあるでしょう。
フジ行政書士事務所では
税金のことは「会社に任せているから大丈夫」と思っている方も多いかもしれませんが、実は会社がすべてを把握しているとは限りません。特に「海外の扶養親族」や「在留資格に基づく課税判定」など、外国人特有のケースについては、個別の確認と書類提出が重要になります。
フジ行政書士事務所では、外国人の方が日本で適正な税手続きを行い、不要な負担を避けるためのサポートを行っています。税金だけでなく、在留資格や社会保険など、幅広い手続きについてもご相談を受け付けております。お気軽にご相談ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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