広がる日本語学習の波
日本語を学習する外国人は年々増加しており、国別では特にアジア圏の学習者が多くを占めています。国際交流基金が行った「海外日本語教育機関調査(2018年)」によると、最も多い学習者の国は中国で、次いでインドネシア、韓国、タイ、ベトナムが上位にランクインしています。これらの国々は、日本と経済的・文化的に深い関係を持ち、特に労働力の提供や留学を目的に日本語を学ぶ傾向が強まっています。例えば、ベトナムやインドネシアからの技能実習生や特定技能の労働者は、日本での就労のために日本語の習得が必須であり、学習者数が急増している要因の一つです。
年齢別に見ると、若年層が多いのが特徴です。特に10代後半から30代前半までの学習者が日本語学習者全体の中心を占めており、これには日本への留学や就職を希望する若者が多いことが関係しています。高校や大学での日本語教育プログラムの充実も、若年層の学習者増加に寄与しています。年齢層の次に多いのは、40代前後の社会人で、日本企業と取引を行うためや、仕事のスキルアップとして日本語を学ぶケースが増えています。
学習目的に関しては、国や年齢によって異なりますが、主な目的は以下の3つに分類されます。まず、留学を目的とする学生層が多く、大学や専門学校での日本語学習が進んでいます。次に、技能実習生や特定技能など、日本での就労を目指す労働者層が急増しています。この層は日本語能力試験(JLPT)のN4やN3レベルを目指し、現地での日本語学校や職業訓練を受けることが多いです。最後に、ビジネス目的の社会人層も一定数存在し、日本の企業との取引や現地法人での業務遂行のために日本語を学習しています。この他、日本のアニメが大好きでもっと知りたくて日本語を勉強しているというのもあるみたいです。
全体として、アジア圏からの若年層が主力となり、日本での留学や就労を目指す動きが強まっていることが、日本語学習者の増加を後押ししています。学習目的も多様化しており、特に就労やビジネス目的の学習者が増えていることが、今後の日本語教育の方向性に影響を与えています。
コメント