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外国人労働者の受け入れは必然か――抵抗感と存続の選択を迫られる日本社会

人手不足が招く構造的な危機

日本社会は少子高齢化の進行により、労働人口が急速に減少しています。特に地方や中小企業では人材確保が極めて困難になり、採用をしても応募がほとんどないという状況が広がっています。

ある全国調査では、回答した企業の約78%が「外国人労働者はいない」と答えました。しかし、受け入れている企業の半数以上が「3年前より増えている」と回答しており、製造業や建設業、農林漁業など労働集約型の産業で雇用が拡大しています。つまり外国人雇用は全体としては限定的ですが、人手不足の深刻な業種では欠かせない存在になりつつあります。

また、正社員雇用よりもアルバイトやパートといった短時間労働の比重が大きいのも実態です。コンビニや外食、清掃など、日常生活でよく見かける外国人労働者は、調査には含まれない非正規雇用が中心です。表面的にはまだ少数派に見えても、現場レベルではすでに外国人抜きには成り立たない分野が存在しています。

抵抗感が根強く残る現実

一方で、外国人雇用には依然として抵抗感があります。言語や文化の違い、労務管理や在留資格の手続きへの不安、既存従業員との摩擦などが理由です。

調査では、3年後の外国人雇用見通しについて「変わらない」と答えた企業が約77%にのぼり、「増やす」と答えたのは全体の2割強にとどまりました。必要性を感じながらも受け入れに踏み切れない企業が多いことを示しています。特に中小企業は指導や管理にかかる負担が大きく、慎重な姿勢が目立ちます。不動産業や金融業、小売業など資格や接客が求められる分野では雇用率が極端に低く、依然「難しい」との認識が強いのも現実です。

社会全体にも「治安が悪化するのでは」「地域に馴染めないのでは」といった漠然とした懸念があります。現場で外国人と日常的に接している人は必要性を理解しやすい一方、接点の少ない層ほど警戒感を持ちやすい傾向にあります。つまり、受け入れざるを得ないが本心では歓迎していないという複雑な心理が、いまだ根強く存在しているのです。

存続か否かという選択

それでも企業は、近い将来「存続か否か」の選択に直面します。もし外国人労働者の受け入れが制限されれば、半数以上の企業が業績にマイナスの影響があると回答しており、特に中小企業では事業縮小や廃業につながる可能性が高いとされています。

大企業は高度な知識や国際対応力を求める戦略的雇用が中心ですが、中小企業にとって外国人は即戦力そのものです。すでに介護や物流、建設などの現場では「人が集まらず受注を減らす」という声が上がっており、外国人なしでは事業継続が困難になっています。

外国人労働者の役割は単なる穴埋めではありません。農業では後継者不足を補い、物流では24時間体制を支え、介護では高齢化社会を下支えしています。これらが滞れば国民生活そのものに影響します。つまり、外国人を受け入れるかどうかは企業単位の問題にとどまらず、社会の持続可能性そのものを左右するテーマとなっているのです。

共生社会への舵切りが不可避に

このように外国人労働者の受け入れは、もはや「好むか好まないか」ではなく「社会を存続させるか否か」の選択に直結しています。抵抗感を理由に排除することは自由ですが、その結果は産業や地域の衰退につながりかねません。

今後求められるのは、共生を前提とした仕組みづくりです。言語教育や生活支援、地域交流の促進などを通じ、外国人が安心して働き暮らせる環境を整えることが必要です。同時に、日本人従業員が文化の違いを理解し受け入れる意識を持つことも欠かせません。

学校教育や地域コミュニティにおける支援、企業への相談窓口整備など、社会全体で取り組むべき課題は多く残されています。しかし、それを怠れば外国人を受け入れたい企業が実際に雇用に踏み切れず、人手不足がさらに深刻化する恐れがあります。

外国人労働者はすでに社会の基盤を支える存在です。農業や介護、物流や建設など、生活に直結する分野では外国人がいなければ立ち行かなくなっている現実があります。否定することは日本社会そのものの持続可能性を危うくします。

結局のところ、私たちが直面しているのは「外国人を受け入れるか否か」ではなく、「どのように共に生きる社会を築くか」という問いです。答えは一つ――共生への舵を切ること。それは容易ではありませんが、存続のために避けられない道なのです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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