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外国人の不動産購入に制限は必要か

外国人による不動産購入の現状と増加する懸念

日本では、外国人による不動産の購入に対して、原則として大きな制限は設けられていません。国籍や在留資格の有無にかかわらず、土地や建物の取得が可能であり、実際に都市部や観光地を中心に外国人投資家による物件購入が活発化しています。特に北海道、九州、沖縄といった地域では、広大な土地やリゾート施設が外国人名義で所有されるケースも少なくありません。

近年、外国人による不動産購入の対象は都市部に限らず、温泉地や山間部などの観光資源を有する地域にも広がっています。たとえば北海道・ニセコや長野・白馬では、海外からの観光客の増加とともに、別荘地や宿泊施設の購入が進んでいます。静岡・伊豆や大分・別府などの温泉街でも、老朽化した旅館や空き家を買い取ってリノベーションするケースが見られます。

こうした動きに対して、地域経済の活性化という肯定的な見方がある一方、次第に安全保障や国土保全、文化景観の維持といった観点から不安の声も上がるようになりました。所有者が国外に居住しているために管理が行き届かない、利用目的が不明確、税金未納のまま放置されるといった課題も顕在化しています。地域住民との価値観の違いや、災害時のリスク対応における問題も無視できません。

このような社会的背景を受けて、日本政府は2021年に「重要土地等調査法」を施行しました。この法律は、防衛関連施設や国の重要インフラの周辺地域で土地取引があった際に、所有者情報の調査や利用目的の確認を可能にするもので、事前届出や報告義務を伴う場合もあります。ただし、この制度はあくまで「確認・把握」を目的としたものであり、外国人による不動産購入そのものを一律に禁止する内容ではありません。

制限を設けにくい背景と法的な限界

日本では、憲法29条により「財産権」が保障されており、外国人であってもその範囲内で財産の取得・保有が可能と解釈されています。特定の国籍や個人に対して不動産取得を一律に制限することは、法的に非常にハードルが高いだけでなく、国際社会との関係にも影響を及ぼしかねません。

加えて、日本は多数の国と投資保護協定や経済連携協定を締結しており、これらの協定において外国資本の財産権保護が謳われている場合、国際的な批判や報復措置を招く恐れがあります。とりわけ、日本経済が海外からの投資に依存する側面を持っている中で、不動産分野だけを切り離して規制を強化することには慎重な対応が求められます。

一方で、住民の間では「知らないうちに近隣の土地が外国人に買われていた」「災害時や有事に不安を感じる」といった実感に基づく不安が根強く存在しており、国民の安心感とのバランスをどう取るかが、今後の政策判断における重要なポイントとなります。特に地方自治体からは、一定の情報開示や利用目的の明確化を求める声が高まっており、規制の枠組み見直しが議論されています。

今後の論点と制度設計のあり方

今後、外国人による不動産購入がさらに増加した場合、国民の不安や反発が高まり、新たな制度改正や規制強化が検討される可能性は十分にあります。しかし、その際に重要なのは、感情的・排他的な方向に政策を傾けるのではなく、実効性と国際整合性を備えた制度設計を行うことです。必要なのは「誰が買うか」よりも「どこで・何の目的で・どのように使うか」という点に注目した仕組みの構築です。

たとえば、特定の地域や施設周辺での購入には事前届出を義務付ける、土地利用目的の定期的な報告を求める、国籍にかかわらず一定の透明性を担保する仕組みを導入するといった手段が考えられます。そうしたルールのもとであれば、国際協定との整合性も保ちながら、安全保障上の懸念に対しても対応することが可能になります。

外国人投資は経済活性化にとって重要な要素であり、画一的な制限はマイナスの影響も大きい一方で、「国民の理解と納得」がなければ制度は機能しません。したがって、今後はデータと実態に基づいた議論を進め、国民感情と法的整合性の両立を目指した制度運用が求められています。感情論ではなく、冷静な視点と明確な基準が、日本にふさわしいルール作りの鍵となるでしょう。

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