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身分系ビザならではの難しさとは?
配偶者ビザは「身分系ビザ」と呼ばれる在留資格のひとつです。
このようなビザは、結婚・血縁・身分関係といった人間関係そのものを根拠にした在留資格であり、就労制限がない自由度の高さが特徴です。
しかしその一方で、次のような身分系ビザならではの難しさもあります。
✅ 実態ある関係を証明する責任が重い
たとえば、外国人配偶者を呼ぶときに「婚姻届を出したからOK」ではありません。
審査では以下のような点を細かくチェックされます:
- 結婚の経緯や交際期間
- 連絡手段・頻度(LINEや通話履歴など)
- 同居の有無、生活費の負担関係
- 面談でのやり取りや証言の一致
→ 形式上の結婚ではなく「実質的な夫婦関係」であることを客観的に証明する必要があります。
✅ 証明できなければ「偽装結婚」とみなされるリスク
たとえ本当に愛し合っているカップルであっても、証拠が不足していたり、申請内容に不自然な点があると、偽装結婚を疑われて不許可になることがあります。
事例:
留学生として来日していたAさんが、日本人と出会って3ヶ月で結婚し、配偶者ビザを申請。
しかし、交際の経緯が簡素で、生活状況の資料も乏しかったため、「真実性が不十分」とされて不許可に。
→ 再申請時には、写真・通話履歴・生活費の共有状況を補足し、許可された。
一方、家族滞在は活動系ビザの一種
家族滞在ビザは、配偶者が「仕事」や「留学」を目的として日本に滞在している場合に、その活動を支える家族(扶養家族)に与えられる在留資格です。
- 主体はあくまで「働いている人」や「留学している人」
- 家族滞在者自身には就労制限があり、扶養される立場が前提
- 入管は「収入・家族構成・同居の有無」などを定量的に判断しやすい
なぜこの違いが重要なのか?
身分系のビザは「自由度が高い」=「悪用されやすい」性質を持つため、
入管のチェックは活動系よりもずっと厳しく、人によっては“心理テストのよう”と感じるほどです。
一方で、家族滞在ビザは「扶養されているかどうか」という明確な線引きがある分、審査ロジックが比較的単純です。
結論:どちらのビザにも注意点がある
- 配偶者ビザ → 自由度は高いが審査はとても厳しい。結婚の実態を証明する力がカギ。
- 家族滞在ビザ → 制約はあるが比較的申請の見通しは立てやすい。
それぞれの特徴とリスクを理解し、自分たちの状況に合ったビザを選ぶことが、日本での安定した生活の第一歩です。
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