「給料が安すぎる」「契約と違う仕事をしている」そんなときどうする?
日本で働いている外国人の中には、劣悪な労働環境や不当な扱いに悩んでいる方もいます。
「最低賃金を下回る給料しかもらえない」「残業代が支払われない」「休みがない」「契約と違う仕事をさせられている」など、こうした状況は搾取(さくしゅ)と呼ばれます。
この記事では、外国人労働者が搾取されていると感じたときの対応方法や相談先をわかりやすく紹介します。
外国人労働者が受けやすい搾取の例
まずは、どのような状態が「搾取」にあたるのか、具体的な例を見てみましょう。
- 最低賃金以下の給料しかもらえない
- 残業代が支払われない
- 長時間労働なのに休憩や休日がない
- 契約内容と違う仕事をさせられている
- 寮費や食費が不当に高額で、給料から天引きされる
- パスポートや在留カードを会社に預けさせられる
- 怒鳴られる・暴力を振るわれる
こうした状況は、労働基準法や入管法に違反している可能性があります。
「自分だけ我慢すればいい」ではなく、正しい情報を得て行動することが大切です。
搾取かも…と思ったら確認すること
搾取されているかもしれないと感じたら、次のことを確認してみましょう。
① 雇用契約書を見直す
契約書の内容と、実際に働いている条件が合っているかを確認します。
② 労働時間や給料の記録を残す
- 出勤・退勤時間(手書きメモやスマホアプリでもOK)
- 給与明細
- 会話の録音やLINEなどのやりとり
③ 同じ職場の仲間に相談する
一人で抱えず、信頼できる仲間や先輩と情報を共有しましょう。
搾取されているときの相談先
「誰に相談すればいいのかわからない」という方のために、主な相談先をまとめました。
① 労働基準監督署(ろうどうきじゅんかんとくしょ)
給料未払い・長時間労働など、労働に関する法律違反を相談できます。
通報者の情報は原則として守られます。
② 入国管理局(入管)
契約違反や在留資格とのズレがある場合、雇用先の変更や在留資格変更の相談が可能です。
③ 外国人支援団体・NPO
母国語でのサポートが受けられることがあり、初めての相談にも向いています。
例:さぽうと21、外国人労働サポートセンターなど
④ 行政書士や弁護士などの専門家
状況が複雑な場合や、在留資格に関わる手続きが必要なときは、専門家に相談しましょう。
声をあげても大丈夫?ビザへの影響は?
「会社のことを通報したら、ビザが取り消されるのでは?」と不安に思う方もいるかもしれません。
しかし、不正をしているのは雇用主であり、被害を受けた外国人ではありません。
技能実習や特定技能では、正当な理由があれば転職や在留資格の変更が可能です。
また、入管も労働基準監督署も、外国人の権利を守る立場で対応してくれます。
まとめ:一人で悩まず、まずは相談を
外国人労働者が搾取される問題は、日本社会全体にとっても大きな課題です。
自分の身を守るためにも、「おかしいな」と感じたら記録を残し、信頼できる窓口に相談しましょう。
✔ 契約と違う待遇に納得できない
✔ 給料や労働時間に問題がある
✔ 怒鳴られたり、無理な要求をされている
そんなときは、必ず誰かに相談してください。
外国人の権利は法律で守られています。
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